ホスピスの選び方とは?選ぶ際のポイントや施設の探し方について解説
2025.04.28 2025.04.30
ホスピスの入居を検討することになった際、どのような施設があるのか、何ができるのかなど、何もわからない状態から施設を選ぶことになる方も多いでしょう。
本記事ではホスピスの基礎知識からホスピスを選ぶ際に確認すべきポイント、探し方などを解説します。
【この記事のポイント】
- ホスピスを選ぶときは医療体制や設備、費用を確認する
- ホスピスを探すときは専門家に相談または検索サイトを活用する
ホスピスとは
ホスピスは終末期の患者に対し、身体的な痛みや社会的な苦しみなどの苦痛緩和を目的とした施設です。主な対象者はがんやエイズの終末期の方ですが、施設によっては難病患者なども受け入れている施設もあります。
元はロンドン郊外の施設から始まり、がん末期の患者の苦痛をチームでケアしていくという方針でした。この考え方が日本へも広がっていき、終末期の患者に対する苦痛緩和を行う施設をホスピスと呼ぶようになったとされています。
有料老人ホームとの違い
ホスピスは有料老人ホームと違い、病気の治療や延命が目的ではありません。あくまでも身体的な痛みや苦痛を和らげる治療が基本の為、抗がん剤治療や手術のような医療行為は行わず、できる限り快適な最期を迎えられるように医療的なケアを行います。
有料老人ホームは、介護が必要になる方が対象で、身体的な介助や生活のサポートなどを主として行います。一方、ホスピスは制度としての明確な規定はないものの、がん末期や難病患者が対象となる施設が多く、医療的なケアにより身体的な痛みや苦しみなどの症状を緩和し、快適な暮らしをサポートしています。
また、入居条件についても違いがあります。
有料老人ホームは要介護認定を受けていなくても入居ができる施設や、医療ケアには対応していない施設など、種類や施設により様々です。一方、ホスピスはがん末期や難病患者などの医療的な依存度が高い方が入居条件となる施設が多いです。
ホスピスに入居するメリット・デメリット
では、ホスピスに入居するメリットとデメリットはどのようなものがあるのでしょうか。ここではホスピスに入居するメリットとデメリットについて解説します。
ホスピスに入居するメリット
- 医療従事者や介護士などの専門スタッフがすぐに対応できる
- 家族の負担が少なくなる
ホスピスでは医療従事者や介護士などの専門スタッフが常に患者の体調を確認しています。そのため急変の際など、すぐに適切な対処ができます。
また、専門スタッフが日常的な介護も行うため、家族が慣れない介護に疲弊する心配もなくなります。介護負担が少ない分、家族は患者本人と向き合って過ごす時間が増えることが期待できます。
ホスピスに入居するデメリット
- 面会時間が限られてしまう
- 費用負担が大きくなる可能性がある
施設によっては面会時間が限られている所もあり、自宅での療養とは違って常にそばにいられるわけではありません。そのため、患者や家族が不安を感じてしまう可能性があります。
しかし、容体の急変や最期が近い場合は、面会時間に限らずそばにいられる施設や、家族が宿泊できる施設もありますので、入居前に確認しておきましょう。
また、ホスピスへの入居は費用が高額になる可能性があります。入院費や食費など月々にかかる費用のほかに、おむつ代や個室だと差額ベッド代などがかかります。おむつ代や差額ベッド代は健康保険の適用ができないため、高額になってしまったり、別途看取り費用がかかる施設もあります。
ホスピスの種類と特徴
ホスピスは大きく以下3つに分けられます。
- 医療法人が運営するホスピス
- 在宅ホスピス
- ホスピス型住宅
それぞれの特徴について解説します。
医療法人が運営するホスピス
医療法人が運営する病院併設型のホスピスです。病院併設のため、医療体制が充実していることが特徴です。
がん患者のケアをメインに行っている所が多く、専門の医師や看護師が24時間体制で症状の管理や緩和ケアを行うため、容体の急変にも迅速かつ適切に対応ができます。
在宅ホスピス
住み慣れた自宅で最期を迎えたいと望む方へ、医師や看護師、介護士など専門チームが自宅を訪問しケアを行うため、環境の変化が少なく安心して暮らすことができます。
在宅ホスピスでは家族が介護を行う場面も多いため、介護保険のサービスなどを利用し、なるべく負担が少なくなるようにしましょう。
ホスピス型住宅
病院と自宅の中間的な施設で、自宅に近い環境で24時間体制の専門的なケアを受けることができます。「医療特化型有料老人ホーム」や「ナーシングホーム」、「ホスピス型住宅」などと呼ばれることもあります。
提供できるサービスは施設により異なるため、必要なサービスが揃っているか、事前に確認が必要です。
ホスピスを選ぶ際に重要なポイント
ホスピスを選ぶ際に事前に確認すべきポイントについて解説します。体験入居や施設見学、資料請求を行い、条件に合う施設を探しましょう。
周辺の環境や面会時にアクセスしやすい場所かなども確認できるため、施設選びの際は実際に足を運んでみることが重要です。
1.医療体制は充実しているか?
看護師や医師の対応時間や頻度、常駐しているかなど医療体制がどの程度整っているかは、必ず確認しましょう。医師や看護師が常駐していない場合、緊急時の対応はどのように行われるかなども一緒に聞いておくと安心です。
また、身体的痛みのケアや精神的ケアなどの緩和ケアはどの程度充実しているか、患者にとって必要な医療ケアが受けられるかも確認できると良いでしょう。
2.費用は予算に合っているか?
入居時にかかる費用や、月額の費用を確認し、自身の予算を超えていないか確認しましょう。ホスピスの月額料金の相場は20~30万といわれています。
サービスによっては医療保険や介護保険の適用範囲外の費用がかかる可能性もあります。自己負担額を抑えるためにどこまで保険の適用ができるのか、費用軽減のために他に使える制度がないかなど、不安な点は施設やソーシャルワーカーに相談しましょう。
参考:ReHOPE|ホスピスの費用はどれくらい?平均相場や入居条件についても徹底解説
3.施設の設備・環境は本人の希望に沿っているか?
施設によっては多床室がメインの場所もあります。個室を希望される場合は、個室があるか初めに確認しましょう。
また、食事や入浴、レクリエーションの種類や頻度なども確認が必要です。食事は自室でとることも可能なのか、レクリエーションはどのくらいの頻度で行っているかなど、入居者の希望に沿うことができる施設を選びましょう。
4.スタッフの対応・サポート体制
介護士や看護師の対応力やサポートの体制についても確認しましょう。たとえば、認知症の対応に慣れているスタッフがいるか、感染症の受け入れは可能か、などです。また、施設と家族間の連携がどのようにされるのか、面会時間や頻度に制限はあるのかなども施設を選ぶポイントとして重要です。
ホスピスの探し方
ホスピスを探す際は医療機関やケアマネジャーなどの専門家へ相談する方法と、検索サイトを活用する方法があります。
どの場合でも、口コミや評判をインターネット上で確認してみましょう。実際に入居している方のご家族の声や入居時に注意すべきポイントなど、役に立つ情報があるかもしれません。
専門家への相談
かかりつけ医や担当のケアマネジャーがいる場合は、まず相談し、おすすめのホスピスがないか確認してみましょう。地域包括支援センターやソーシャルワーカーでも相談可能です。お住まいの地域や患者の症状を考慮して専門の視点から提案してもらえます。
施設検索サイトの活用
紹介された施設のほかの選択肢も確認するには施設検索サイトを活用しましょう。新しくできた施設も検索できるので、最新の情報が手に入れられます。
まとめ|最適なホスピスを選ぶために
医療体制やサービス、料金などはホスピスによって異なり、患者の症状も一人ひとり異なります。費用感や必要なサービス、設備がどの程度整っているかよく確認しましょう。
また、施設内の雰囲気や立地はなど、実際に見てみないとわからない所も多くあります。施設見学や体験入居ができる場合は積極的に参加し、より良い施設を選びましょう。
FAQ
ホスピスを選ぶポイントは?
ホスピスを選ぶポイントは主に4つあります。
- 医療体制は充実しているか?
- 費用は予算に合っているか?
- 施設の設備・環境は適しているか?
- スタッフの対応・サポート体制
詳しくは記事内「ホスピスを選ぶ際に重要なポイント」をご覧ください。
ホスピスの探し方は?
ホスピスを探す際はかかりつけ医やケアマネジャーなどの専門家へ相談する方法や、検索サイトを活用する方法があります。
詳しくは記事内「ホスピスの探し方」をご覧ください。