要介護度とは?認定までの流れや利用可能なサービスについて
2025.06.19 2025.06.17
要介護度とは、日常生活においてどの程度の支援が必要かを示す指標です。介護保険制度では「要支援1・2」「要介護1~5」の段階があり、認定を受けることで介護サービスの利用が可能になります。
しかし、認定の流れや必要な書類、利用できるサービスについて正確に把握していない方も多いのではないでしょうか。本記事では、要介護認定の申請方法や認定基準、利用可能な介護サービスについて詳しく解説します。
【この記事のポイント】
- 日常生活でどの程度の支援が必要か示す指標を要介護度という
- 申請の準備から必要書類の用意をし、申請書の提出を経て要介護認定が行われる
- 要介護度別によって利用可能なサービスは異なる
- 要介護度とホスピスケアには医療・介護の支援がより手厚くなるという関係性がある
要介護度とは
要介護度とは、日常生活においてどの程度の支援が必要かを示す指標です。介護保険制度においては「自立」「要支援1~2」「要介護1~5」の8段階に分類され、要介護度が高いほど介護の必要性が増します。
要介護度の認定は自治体による調査や専門家の審査を経て決定され、基準時間をもとに判定される仕組みです。認定を受けると、介護サービスや福祉用具の利用が可能になります。
要介護認定が行われる流れ
要介護認定の申請から申請書提出までの基本的な流れは、以下のとおりです。
1.申請の準備
介護が必要になった場合、本人またはご家族が市区町村の介護保険窓口で申請を行います。地域包括支援センターや居宅介護支援事業所が代行することも可能です。
2.必要書類の用意
申請には介護保険被保険者証が必要で、主治医の意見書も求められます。主治医がいない場合、市区町村が指定する医療機関で診察を受けることになります。
3.申請書の提出
市区町村の介護保険課などの窓口に必要書類を提出します。提出時に、現在の生活状況や利用希望の介護サービスについての相談も可能です。
出典:厚生労働省「要介護認定はどのように行われるか」
要介護度の基準一覧表
要支援と要介護の介護度別の概要については、以下の早わかり表を参考にしてください。
概要 | 主な支援内容 | |
要支援1 |
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要支援2 |
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要介護1 |
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要介護2 |
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要介護3 |
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要介護4 |
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要介護5 |
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要介護度別の状態と利用可能なサービス
ここでは、要介護度別それぞれの状態に加え、各介護度で利用可能なサービスについてまとめています。
要支援1
要支援1は、基本的な日常生活(食事・排泄・入浴など)は自力で行えるものの、掃除や買い物といった家事に一部支援が必要な状態を指します。利用可能なサービスは、以下のとおりです。
- 訪問介護(生活援助)
- デイサービス(機能訓練・レクリエーション)
- 訪問リハビリテーション
- 福祉用具のレンタルなど
介護予防を目的とした支援が中心で、適切なサービスを活用することで要介護への進行を防ぐことが期待されます。サービス内容は自治体や施設によって異なるため、事前の確認が重要です。
要支援2
要支援2は、基本的な日常生活(食事・排泄など)は自力でこなせるものの、家事や移動の際に支援が求められる状態です。歩行時や入浴時に一部介助が必要になることもあります。
利用できるサービスは、要支援1と同じで以下のとおりです。
- 訪問介護(生活援助)
- デイサービス(機能訓練・レクリエーション)
- 訪問リハビリテーション
- 福祉用具のレンタルなど
適切な支援を受けることで、生活の質を維持しながら要介護状態への進行を防ぐことが期待できます。
要介護1
要介護1は、日常生活の大部分は自立しているものの、入浴や排せつなど一部の動作で見守りや介助が必要な状態を指します。移動や家事にも支援が求められることがあり、認知機能の低下がみられる場合もあります。
身体機能の維持や家族の負担軽減に役立つ、以下のサービスが利用可能です。
- 訪問介護
- デイサービス
- 短期入所(ショートステイ)
要支援2と比べると支援範囲が広く、要介護2よりも自立度が高いのが要介護1の特徴です。
要介護2
要介護2は、日常生活の動作に部分的な介助が必要な状態のことです。歩行や立ち上がりに支えが求められ、食事や入浴、排泄などでも見守りやサポートが必要となる場合があります。
利用できる介護サービスには、以下が含まれます。
- 訪問介護
- デイサービス
- 福祉用具のレンタル・購入
- 短期入所
自宅での介護を支援する制度も整っており、適切なサービスを組み合わせることで、本人の自立支援や介護者の負担軽減につながります。
要介護3
要介護3は、日常生活のほぼすべてにおいて介助が必要な状態です。立ち上がりや歩行、入浴や排泄を自力で行うことが困難になり、認知機能の低下が見られるケースもあります。
要介護3で利用できる介護サービスには以下が含まれます。
- 訪問介護
- 訪問入浴
- デイサービス
- 短期入所生活介護(ショートステイ)
また、特別養護老人ホームなどの入居施設も選択肢の一つです。適切なケアプランを立て、本人の負担軽減とご家族にかかる負担のバランスを取ることが重要です。
ホスピスサービスを行う事業者例
要介護度が3以上になると、ホスピスサービスを受けられるようになります。ホスピスサービスを行う主な事業者は以下のとおりです。事業者ごとの特徴を把握しつつ、どこを利用すべきか検討してください。
医心館 |
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ファミリーホスピス |
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スーパー・コート |
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フレアス |
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ReHOPE |
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要介護4
要介護4になると、日常生活のほぼすべてにおいて介助が求められます。立ち上がりや歩行が困難で、食事や排泄、入浴や着替えも介護なしでは行えません。
認知機能の低下も見られ、意思疎通が難しくなる場合もあります。
なお、要介護4の方が利用できるサービスは、以下のとおりです。
- 訪問介護
- 訪問看護
- デイサービス
- ショートステイ
- 特別養護老人ホーム
介護者にかかる負担を軽減するためにも、適切な施設や支援の活用が推奨されます。
要介護5
要介護5は介護度の中で最も重い段階であり、日常生活のほぼすべてに全面的な支援が必要な状態を指します。自力での移動や食事、排泄が困難で、認知機能の低下が見られるケースも多いでしょう。
利用できるサービスには、以下が挙げられます。
- 訪問介護
- 訪問看護
- 通所介護(デイサービス)
- 短期入所(ショートステイ)
- 福祉用具のレンタル
- 特別養護老人ホームなどの施設入居
要介護5の場合は本人だけでなく介護者にも特に多大な負担がかかるため、適切なケアプランを立てることが必須です。
要介護度とホスピスケアの関係性
要介護度が高くなるほど必要なホスピスケアの内容も変化し、医療や介護の支援がより手厚くなるのが特徴です。ホスピスケアを利用する際の自己負担額は、要介護度に応じた公的保険制度の適用範囲によって異なります。
医療保険や介護保険、障害福祉サービスの活用により、費用負担を軽減できる仕組みが整えられています。特に、介護保険の負担割合は要介護度ごとに異なり、支給限度額内であれば利用可能なサービスも増えるため、計画的な利用が重要です。
まとめ
要介護度は、本人の生活状況や必要な支援レベルを判断する重要な指標です。認定を受けることで訪問介護やデイサービス、施設入居など多様な介護サービスが利用可能になります。
申請から認定までの流れを理解し、適切なサービスを選ぶことで、本人の生活の質を維持しながら介護者の負担を軽減できます。自治体の窓口や専門家のサポートを活用しながら、最適な介護プランを検討しましょう。
FAQ
要介護度とは?
要介護度とは、介護に関する支援の必要度合いを示す指標のことです。認定を受けることで、介護サービスや福祉用具の利用が可能になります。
詳しくは記事内「要介護度とは」をご覧ください。
要介護認定が行われる流れは?
要介護認定の申請から申請書提出までは、以下の流れで進むのが一般的です。
- 申請の準備
- 必要書類の用意
- 申請書の提出
詳しくは記事内「要介護認定が行われる流れ」をご覧ください。
要介護度別で患者さまの状態は異なる?
要介護度によって、患者さまの状態は異なります。加えて、介護度ごとに利用できるサービスも変わってくるでしょう
詳しくは記事内「要介護度別の状態と利用可能なサービス」をご覧ください。