ホスピス・サービスの比較まとめ

PDハウスの料金は?施設の特徴や評判も合わせて解説

2025.09.30 2025.09.24

PDハウスはパーキンソン病および関連疾患に特化した、在宅型有料老人ホームです。すべての職員が専門知識を身につけており、利用者の病状や状態に寄り添ったサポートを提供している点を強みとしています。

入所を検討する際、料金が気になる方も多いのではないでしょうか。本記事では、PDハウスの料金内訳や施設の特徴、評判について紹介します。また、PDハウス以外の施設の費用も比較しているので、施設選びの参考にしてください。

PDハウスとは?

PDハウスとは、パーキンソン病および関連疾患を持つ方に特化した介護施設です。2025年8月時点では全国に43施設を展開し、約2,000人以上の方が入居しています。

パーキンソン病は脳神経細胞の減少によって徐々に運動機能に支障が生じる病気です。症状の現れ方や、必要な医療ケアやサポート内容は人によって様々です。PDハウスでは、そうした個別のニーズに合わせてケアプランを作成し、生活の質をできるだけ維持できるようにサポートしています。

脳神経内科医による訪問診療や充実したリハビリ体制、24時間体制の訪問看護や介護が充実しており、利用者にとって安心して過ごせる環境といえるでしょう。

また、医療従事者だけでなく介護職員を含めたすべての従業員が、パーキンソン病の知識向上のため研修の受講や社内資格を取得していることも大きな特徴のひとつです。

なお、PDハウスへの入居は、パーキンソン病や関連疾患で難病の受給者証があり、要介護1〜5の認定を受けられた方が対象です。それ以外の方は入居の対象外となるのでご注意ください。

要介護度についてさらに詳しく知りたい方は別記事「要介護度とは?認定までの流れや利用可能なサービスについて」をご覧ください。

PDハウスの費用目安とその内訳

PDハウスの月額費用は約9万円から23万円と地域によってその費用は大きく異なります。都市に近くなるほど費用は高くなりますが10万円台の施設がほとんどです。また、この月額費用に含まれるのは家賃・食費・管理費・厨房管理費となっています。

この費用に加えて、介護保険や医療保険の自己負担分、光熱費、日用品などの費用が発生します。そのため、実際に支払う金額は月額費用より多くなります。

なお、介護保険や医療保険の自己負担額は、要介護度や負担割合によって変わるため、利用者ごとに支払う金額は異なります。気になる施設がある場合は、事前におよその費用を問い合わせることをおすすめします。

ここでは、それぞれの費用について解説します。

家賃

家賃は地域や施設によって大きく異なります。とくに、東京といった都市部にある施設は比較的高めの設定となっています。敷金はいずれの施設も100,000円で、退去時に修繕費やクリーニング費用を引いた金額が返金されます。

都道府県 施設名 家賃 敷金
北海道 PDハウス西宮の沢 50,000円 100,000円
東京 PDハウス石神井公園 125,000円 100,000円
静岡 PDハウス浜松和合 38,000円 100,000円
大阪 PDハウス初芝 35,760円 100,000円
福岡 PDハウス野芥 37,000円 100,000円

参考:PDハウス|施設一覧

※2025年8月時点

食費

食費は1日3食を30日提供した場合の料金で計算されています。全国的に大きな差はなく約2万円でした。食事形態は通常食・一口大食・刻み食・ゼリー食・ミキサー食の5種類があり、入居者の状態に応じた対応が可能です。

地域や施設によって提供体制が異なる場合もあるため、入居前に確認しておくと安心です。

都道府県 施設名 食費
北海道 PDハウス西宮の沢 21,600円
東京 PDハウス石神井公園 23,760円
静岡 PDハウス浜松和合 23,760円
大阪 PDハウス初芝 23,760円
福岡 PDハウス野芥 21,600円

※2025年8月時点

管理費

管理費は、共同部での介護保険外になる介護サービス(見守り・移動介助・排泄介助・食事介助・生活支援など)の料金になります。厨房管理費とは、施設内で食事を提供するための厨房の維持管理費と人件費にあたります。

ただし、地域や施設によっては「生活支援費」と表記される場合もあり、含まれるサービス内容も異なるケースがあります。検討する際、詳細を施設に確認すると良いでしょう。

都道府県 施設名 管理費 厨房管理費
北海道 PDハウス西宮の沢 37,400円 32,400円
東京 PDハウス石神井公園 33,480円 44,000円
静岡 PDハウス浜松和合 44,000円 33,480円
大阪 PDハウス初芝 22,000円 33,480円
福岡 PDハウス野芥 24,840円 32,400円 

※2025年8月時点

光熱費

光熱費は入居者が個別に使用した料金ではなく、施設全体で発生した電気・ガス・水道代などを入居者全体で分担する仕組みになっています。その月の施設全体の光熱費を戸数で割って算出します。金額は施設の規模や設備によっても差がありますが、月2万円前後を目安として考えておくと良いでしょう。

介護保険の自己負担分

PDハウスは住宅型有料老人ホームのため、家賃や管理費など施設利用に伴う料金には介護保険は適用されません。ただし、訪問リハビリや訪問介護などの外部サービスを受ける場合は、介護保険制度を利用することが可能です。

介護保険では、要介護度ごとに利用できる支給限度額が決まっています。その範囲内であれば、掛かった費用の原則1割(一定の所得を超える場合は2割もしくは3割)の自己負担で介護サービスを利用できます。

以下は自己負担が1割の場合の1ヶ月の利用限度額(月額)です。

要支援1 50,320円
要支援2 105,310円
要介護1 167,650円
要介護2 197,050円
要介護3 270,480円
要介護4 309,380円
要介護5 362,170円

出典:厚生労働書 介護事業書・生活関連情報検索

なお、利用限度額を超えて利用した場合は全額自己負担となるため、注意してください。どのサービスをどの程度利用するかは、入居するPDハウスやケアマネジャーと相談しながら決めると良いでしょう。

医療保険の自己負担分

PDハウスでは、訪問診療や訪問看護などの外部サービスが医療保険の対象となります。介護保険と同様、家賃や食費などの費用は医療保険の対象とはなりません。

医療保険の自己負担額は年齢や所得によって異なります。

  • 75歳以上:1割(所得に応じて3割)
  • 70〜74歳:2割(所得に応じて3割)
  • 6歳から69歳:3割
  • 6歳未満(小学校入学前):2割

出典:厚生労働省 医療費の一部負担(自己負担)割合について

介護保険と異なり、医療保険には利用限度額のような上限がないため、診療や処置、薬代などかかった費用すべてに保険が適用されます。

ただし、月ごとの医療費が高額になった場合は、「高額療養費制度」を利用することで支払い額を抑えることも可能です。この制度では、年齢や所得に応じて1ヶ月ごとの医療費の自己負担限度額が定められており、それを超えた金額は申請により払い戻されます。

さらに、マイナ保険証や限度額適用認定証を事前に提示しておけば、窓口での支払いが自己負担限度額までに抑えられ、過剰な出費を抑えられるでしょう。

その他費用

日常生活で使用する紙おむつやティッシュ、歯ブラシなどの消耗品は月額費用とは別に費用が発生します。また、髪のカットや髭剃りなどの理美容サービスを希望する場合も内容に応じた料金が発生します。

施設によっては紙おむつは「日額定額サービス」を導入しており、1日の使用量に関わらず定額で利用できる場合もあります。こうした日用品やサービスの取り扱いは、施設ごとに異なる場合もあるため、事前に料金体系を確認しておくと安心でしょう。

PDハウス以外の施設との料金比較

PDハウス以外で代表的な有料老人ホームに「医心館」「ReHOPE」「ファミリー・ホスピス」があります。いずれもホスピス施設ですが、それぞれの特徴や費用が異なるため、比較することで自身や家族にとってより適した施設を選びやすくなるでしょう。

ここでは、2025年8月時点の料金情報をもとに紹介しています。地域や部屋の広さ、サービス内容によって金額が異なるため、詳細は各施設の公式サイトでご確認ください。

医心館

医心館は終末期や医療依存度が高い方を対象としたホスピス型施設です。全国に100棟を超える施設を展開しており、4,000人以上の方が入居しています。

部屋代や光熱費などのホテルコストがリーズナブルに設定されており、入居費もありません。月額料金は賃料は部屋のグレードによっても異なりますが、約9万円から13万円前後が目安になります。

都道府県 施設名 賃料 管理費 入居費
北海道 医心館琴似 38,000円 30,200円 0円
東京 医心館祖師館 82,500円 47,500円 0円
大阪 医心館豊中 56,000円 36,400円 0円

※2025年8月時点

管理費には水道や電気、ガスなどの光熱費や施設内の備品代が含まれています。また、その他に以下の実費負担も発生します。

  • 食費:1,180円/日(30日換算で35,640円)
  • おむつ代:660円/日
  • リネン代110円/日

さらに訪問診療や訪問看護などのサービスを利用した場合は、医療保険・介護保険の自己負担分の支払いが必要となるでしょう。

医心館の料金についてさらに詳しく知りたい方は別記事「医心館の利用にかかる料金は?ホスピスの選び方とあわせて解説」をご覧ください。

ReHOPE

ReHOPEはがん末期や神経難病の方が自分らしく過ごせる環境を提供するホスピス型住宅です。全室が個室となっており、自宅に近い環境で医療や看護、介護が受けられる体制が整っています。建設中も含めると全国に66施設展開しています。

初期費用は基本的には不要ですが、敷金を設けている施設もあります。また、病気によって賃料が異なるケースもあり、月額の基本料金はおよそ10万円から14万円前後になります。

都道府県 施設名 賃料 管理費 入居金(敷金)
北海道 ReHOPE 札幌厚別 がん:36,000円

難病:30,000円

56,100円 0円
東京 ReHOPE墨田 がん:70,000円

難病:40,000円

64,000円 0円
大阪 ReHOPE御殿山北館 80,000円 63,000円 240,000円

※2025年8月時点

食事が必要な方は月額約3万円〜5万円前後で提供され、入居のタイミングに応じて日割り計算されます。その他にもおやつ代、嗜好品代、薬剤代などの実費負担があります。

また、オプションで寝具レンタル月額3,300円、洗濯代行サービス月額4,950円を利用することも可能です。

訪問診療や訪問看護などのサービスを利用した場合は、医療保険・介護保険の自己負担分の支払いが必要となります。

ReHOPEについてさらに詳しい料金を知りたい方は別記事「ホスピスの費用比較!ReHOPEとフレアスの費用の違いとは」をご覧ください。

ファミリー・ホスピス

ファミリー・ホスピスはがん末期や神経難病などの方を対象にしたホスピス型住宅です。少人数制の家庭的な雰囲気を提供しており、現在は関東を中心に全国で55施設となっています。

初期費用として、全施設共通で「らいふプラン作成費(220,000円)」が必要になります。これは入居後の生活支援プランを作成するための費用です。

月額料金は、賃料・管理費・食費などが含まれ、地域や部屋のグレードによって異なりますが、おおよその月額料金の目安はスタンダードで約13万円から17万円前後です。

都道府県 施設名 賃料 管理費 食費 その他 入居金(らいふプラン作成費)
北海道 ファミリー・ホスピス月寒東ハウス 40,000円 37,000円 48,300円 冬季暖房代:12,780円 220,000円
東京 ファミリー・ホスピス西葛西 エコノミー:53,000円

スタンダード:80,000円

デラックス:120,000円

60,000円 25,920円 なし 220,000円
大阪 ファミリー・ホスピス豊中ハウス 60,000円 40,500円 10,800円 基本支援サービス費:23,100円 220,000円

※2025年8月時点

また、訪問診療や訪問看護などのサービスを利用した場合は、医療保険・介護保険の自己負担分の支払いが必要となります。

PDハウスや医心館、ReHOPEと比べると、ファミリー・ホスピスでは施設ごとに料金体系やその項目が異なる傾向があります。たとえば、管理費の他に冬季暖房費や生活支援基本サービス費などが追加で発生する施設もあります。

また、食費の金額や内訳も施設や地域によって差があり、一律ではありません。そのため、入居を検討する際は、月額の総額だけでなく、施設ごとの費用内訳を事前に確認しておくことが大切です。

ファミリー・ホスピスについて詳しく知りたい方は別記事「ホスピスの費用比較!医心館とファミリー・ホスピスの費用の違いとは」をご覧ください。

PDハウスの評判

PDハウスの口コミにはどのようなものがあるでしょうか。実際の評判を紹介します。

PDハウスの評判についてより詳しく知りたい方は別記事「PDハウスはやばい?評判・口コミと不正請求問題について解説」をご覧ください。

PDハウスのいい評判

PDハウスの口コミはスタッフの対応の良さや施設の雰囲気、パーキンソン病に関する専門的な知識を持っている点が高く評価されています。以下に、実際の口コミを紹介します。

懇談会があり丁寧な説明を受けました 30分前に到着して母親と話しましたが笑顔が増え施設の皆さんが優しくて本当に良かったと言っていました。 介護と看護もしっかりしていて安心できています。 何より母親の笑顔と元気な姿を見ると感謝の言葉しか出ません

引用:Google口コミ

スタッフの人数、リハビリや生活のサポート等満足出来そう。パーキンソン病のことをよく理解されていて、1日の中でも波があったり、頭と身体のアンパランスなど、共感してもらえて安心した。

説明していただいた内容には満足。特に、言語聴覚士の存在、リハビリがありがたいと思った。

パーキンソン病に特化したリハビリ、レク、生活サポートが追加料金なしで、しかも施設内で受けられることは大満足。

引用:みんなの介護

パーキンソン病に特化した施設らしくサービスも充実しております。ハード、ソフト面も問題無いと、感じました。

引用:安心介護紹介センター

PDハウスの悪い評判

施設の設備や費用面での不安の声も見受けられます。しかし、パーキンソン病に特化した施設のため、トータル的には安いという意見もあり、入居を検討する施設に相談してみることがおすすめです。

施設の方は真摯に向き合っており、家族としては頼もしい施設です。

然しながら、提携している病院がダメで、訪問看護と訪問診療は全く信用できません。

引用:Google口コミ

居室内には固定電話が引けなく、公衆電話の設置もありませんでした。携帯電話、スマホが通信手段との事で、父の身体機能と携帯電話を持ったことのない点を考えると多少の不安があるのは正直な気持ちです

引用:みんなの介護

パーキンソン対応に特化していて素晴らしいサービスが用意されているが、月25万円と自分達の予算をオーバーしてしまっていたので非常に悩んでおります。

引用:安心介護紹介センター

まとめ

PDハウスはパーキンソン病および関連疾患の方に特化した在宅型有料老人ホームです。全スタッフがパーキンソン病についての社内資格を有しており、症状やサポート方法など専門知識を持っているため、一人ひとりの状態に合わせたサポートが可能です。口コミでも「安心できる」「対応が丁寧」といった好意的な意見が多くみられました。

費用は地域や施設によって幅があり、月額9万円から20万円以上になるケースもあります。また、家賃や管理費、食費などの月額料金の他に訪問医療や訪問介護などの費用も別途必要です。

介護度や医療依存度に応じて費用も変わるため、詳細は入居を検討している施設に問い合わせてみると良いでしょう。

FAQ

PDハウスの月々の料金は?

施設や地域によって費用は異なりますが、都市部に近づくほど高くなる傾向があります。約9万円から20万円程度が施設の滞在にかかる月額費用の目安となります。月額料金には家賃・食費・管理費・厨房管理費が含まれています。詳しくは記事内「PDハウスの費用目安とその内訳」をご覧ください。

PDハウスの特色は?

パーキンソン病および関連疾患向けの有料老人ホームです。脳神経内科医による訪問診療や充実したリハビリ体制、24時間体制の訪問看護や介護が充実しており、利用者が安心して生活できる取り組みがされています。

詳しくは記事内「PDハウスとは?」をご覧ください。

PDハウスの評判は?

スタッフの雰囲気が良い、安心して利用できるといったポジティブな評判がありました。一方で設備やサービス、費用の懸念に関する声も聞かれました。詳しくは記事内の「PDハウスの評判」をご覧ください。