ホスピス・サービスの比較まとめ

有料老人ホームとは?ホスピス型住宅の違いやおすすめの施設4選を紹介!

2025.05.15 2025.06.23

有料老人ホームとホスピスはどちらも高齢者や介護が必要な方などが入居する施設ですが、提供されるサービス内容や入居対象者などが異なります。

ホスピスでは介護サービスに加え医療ケアや緩和ケアなどが提供されますが、有料老人ホームでは基本的に介護や生活のサポートなどの支援が行われるのが特徴です。

この記事では、有料老人ホームとホスピスの概要や違い、それぞれのメリットとデメリットを詳しく解説していきます。おすすめの施設も2選ずつご紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

※本記事内では、ホスピスとは、ホスピスケアを提供するホスピス型住宅(介護施設)を指します。

【この記事のポイント】

  • ホスピスとは、介護だけではなく医療ケアや緩和ケアなど、医療依存度が高い方や終末期の方に対してのケアも行われる施設のこと
  • 有料老人ホームとは、主に介護や生活のサポートを提供する、高齢者向けの施設のこと
  • ホスピスと有料老人ホームの主な違いは、提供されるサービスや入居対象者
  • おすすめのホスピス型住宅には、「ファミリー・ホスピス」や「ReHOPE」があげられる
  • おすすめの有料老人ホームには、「SOMPOケア」や「ベネッセスタイルケア」があげられる

ホスピスとは

ホスピスとは、がん末期などの難病を抱えていて終末期が近い患者さまに対し、身体的な痛みや精神的、社会的な苦しみを和らげるケアを行う施設のことです。延命を目的とはせず、患者さまに残された時間の生活をより質の高いものにするためにサポートする特徴があります。

ホスピスでは、医師や看護師だけではなく、作業療法士や栄養士、心理学者などさまざまな専門家がケアを担当するのも大きな特徴です。

参考:WAMNET|ホスピス
参考:CUC|ホスピスとは。病院とホスピス型住宅の違い、ケア内容、費用を徹底解説

ホスピス型住宅とは

ホスピス型住宅とは、ホスピスケアに特化した住宅施設のことです。看護師や介護スタッフが常駐しており、24時間365日専門的なケアが受けられるメリットがあります。

施設によって値段や設備などは異なりますが、家族との面会がしやすかったり、個室で生活できたりするなどが嬉しいポイントです。

なお、ホスピス型住宅に入居するのは、がん末期や神経難病を抱える方など医療依存度が高い方となっています。

有料老人ホームとホスピス型住宅の違い

有料老人ホームとホスピス型住宅の違い

有料老人ホームは、ホスピスとは異なり医療依存度が高い方を入居対象にしているわけではなく、日々の生活のサポートや介護を受けたい方など、幅広い高齢者の方を対象としています。

また、ホスピスでは医師や薬剤師などによる専門的なケアが受けられますが、有料老人ホームは基本的に介護士やボランティアスタッフがサポートを行うのが特徴です。

このように、介護だけではなく医療や看護などの質の高いサービスを受けたい場合はホスピス型住宅が、高齢者向けの生活サポートが受けたい方場合は有料老人ホームが向いているといえます。

ホスピス型住宅のメリット・デメリット

ホスピス型住宅の主なメリット・デメリットは、以下のとおりです。

メリット デメリット
  • 医師や看護師などから専門的なケアが受けられる
  • 介護だけではなく看護や医療、食事やお薬のサポートまで幅広い
  • 家族への支援も手厚いケースが多く、面会などもしやすい
  • 施設によっては入居金や月額費用が高額な場合がある
  • 施設によっては面会に制限があり、自由に家族に会えない可能性がある
  • 全国展開の施設は少なく、自宅から遠い可能性がある

ホスピス型住宅のメリット

ホスピス型住宅は、看護師や介護スタッフなど専門家が常駐しているメリットがあります。そのため、医療依存度が高い患者であっても安心して入居できるでしょう。

また、介護や医療サポートはもちろん、食事や日々の生活のサポートまで幅広いサービスを提供しているのが大きな特長です。家族へのケアも手厚く行っている施設が多いため、患者だけでなく家族も安心できます。

ホスピス型住宅のデメリット

ホスピス型住宅は、施設によって費用が異なり、入居金として多額の費用がかかるケースがあります。場合によっては予算に合った施設が見つからず、入居を諦めざるを得ないケースもあるでしょう。

また、ホスピス型住宅は有料老人ホームに比べて施設数が少なく、自宅から離れたところしか選択肢がないケースもあります。

さらに、ホスピスは家族へのケアも手厚いメリットがありますが、施設によって面会には制限があり、常に患者と家族が一緒にいられない可能性もあります。

有料老人ホームのメリット・デメリット

一方で有料老人ホームのメリット・デメリットは、以下のとおりです。

メリット デメリット
  • 施設数が多い
  • 厳しい入居条件がなく入居しやすい
  • 他の入居者とコミュニケーションが取れるイベントやレクリエーションが多い
  • 医療ケアは基本的に行われていない
  • 設備や環境が充実している施設は多いが、費用は高くなりやすい

有料老人ホームのメリット

有料老人ホームは、施設数が多く入居条件も厳しくないため断られる心配が少なく入居しやすいメリットがあります。自宅から近くの施設も見つけやすいということも、嬉しいポイントだといえるでしょう。

また、施設内でのレクリエーションやイベントが多いのも特徴で、他の入居者とのコミュニケーションを取る機会が豊富にあるのもメリットです。

有料老人ホームのデメリット

一方で、有料老人ホームは医療依存度が高い方にとっては、医療ケアが不十分というデメリットもあります。設備が充実している施設が多い反面、入居費用や月額費用は高くなりがちです。

また、ホスピス型住宅と比較すると、終末期やターミナルケアなどには対応していない施設がほとんどで、一つのデメリットとしてあげられます。

おすすめのホスピス型住宅2選

「ホスピス型住宅にはどんな施設があるの?」「どこが有名でおすすめの施設なの?」と悩みを抱える方に向けて、ここではおすすめのホスピス型住宅をご紹介します。今回は、以下2選に厳選してご紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

  • ファミリー・ホスピス
  • ReHOPE

ファミリー・ホスピス

出典:ファミリー・ホスピス

設立年 2011年
運営会社 ファミリー・ホスピス株式会社
施設数 51施設

※これからオープンする施設を含む

料金
  • らいふプラン作成費:220,000円
  • エコノミー:138,920円/月
  • スタンダード:198,840円/月
  • プレミアム:626,920円/月

※ファミリー・ホスピス二子玉川ハウスの例です
※2024年1月時点の情報です

サービス内容
  • 疼痛コントロール(医療用麻薬、持続点滴)
  • 人工呼吸器
  • 在宅酸素療法
  • ホルモン療法
  • 抗がん剤治療(経口剤、外来対応)
  • 排泄
  • 入浴
  • 食事
  • 自己実現サポートなど
入居対象者 以下いずれかの疾病を抱えている方

  • 末期の悪性腫瘍
  • 多発性硬化症
  • 重症筋無力症
  • スモン
  • 筋萎縮性側索硬化症(ALS)
  • 脊髄小脳変性症
  • ハンチントン病
  • 進行性筋ジストロフィー症
  • パーキンソン病関連疾患※1
  • 多系統萎縮症※2
  • プリオン病
  • 亜急性硬化性全脳炎
  • ライソゾーム病
  • 副腎白質ジストロフィー
  • 脊髄性筋萎縮症
  • 球脊髄性筋萎縮症
  • 慢性炎症性脱髄性多発神経炎
  • 後天性免疫不全症候群
  • 頸髄損傷
  • 人工呼吸器を使用している状態

ファミリー・ホスピスは、2011年に設立し、50施設以上を展開しているホスピス型住宅です。「街がホスピスになる」という理念に掲げ、人生の最期を安心して楽しく暮らせる社会を目指して、事業を展開しています。

ファミリー・ホスピスはがん末期や神経難病のケアに特化しており、生活のサポートから高度な医療ケア、緩和ケアまで幅広く充実したサポートを行っているため、人気が高いです。資料請求や施設の見学ができるため、気軽にお問い合わせしてみてはいかがでしょうか。

ファミリー・ホスピス公式サイト

ReHOPE

出典:ReHOPE

設立年 2017年
施設数 57施設

※これからオープンする施設を含む

料金 約19.7万円/月
サービス内容
  • 麻薬管理、疼痛管理、神経ブロック
  • 静脈点滴、皮下点滴
  • 痰吸引
  • 人工呼吸器、NPPV、TPPV
  • 在宅酸素
  • 気管切開
  • 中心静脈栄養(ポート・カテーテル)
  • 経管栄養(胃ろう・経鼻・腸ろう・経皮経食道胃管)
  • 血糖チェック、インスリン注射
  • 人工肛門、腎ろう 膀胱ろう、小腸ろう
  • 導尿、膀胱留置カテーテル 膀胱洗浄、持続膀胱洗浄
  • 褥瘡処置、創傷処置
  • ドレナージ、腹水、 胸水
  • 腹膜透析
  • 輸血
  • 認知症、アルツハイマー病
  • 感染症、MRSA、C型肝炎、B型肝炎、梅毒、HIV、結核(排菌なし)
  • 生活、身体介助(移乗・食事・排泄・入浴)
  • リハビリテーション
入居対象者 以下の疾患を抱えている方

  • 末期の悪性腫瘍(がん末期)
  • 多発性硬化症
  • 重症筋無力症
  • スモン
  • 筋萎縮性側索硬化症(ALS)
  • 脊髄小脳変性症
  • ハンチントン病
  • 進行性筋ジストロフィー症
  • プリオン病
  • パーキンソン病関連疾患
  • 多系統萎縮症
  • 亜急性硬化性全脳炎
  • ライソゾーム病
  • 副腎白質ジストロフィー
  • 脊髄性筋萎縮症
  • 球脊髄性筋萎縮症
  • 慢性炎症性脱髄性多発神経炎
  • 後天性免疫不全症候群
  • 頚髄損傷
  • 人工呼吸器を使用している状態
  • 気管カニューレを挿入している方

ReHOPEは、がん末期や神経難病などの重病を抱える患者さまに向けて、医療や看護、介護など幅広いケアを提供しているホスピス型住宅です。24時間365日手厚いケアを受けられたり、有料老人ホームやナーシングホームの入居を断られてしまった方でも受け入れてもらえたりすることが、ReHOPEの大きなメリットだといえます。

ReHOPEは近年新しい施設を続々と展開しており、北海道から福岡まで全国に受け入れ体制を強化しています。また、原則として入居金はかからず、費用負担を抑えて利用できる点も大きな特長です。

ReHOPE

「末期がんや神経難病の方とご家族へ」暮らしの選択肢を学べるオンラインセミナーを開催されています

ReHOPEでは、「がん末期・神経難病の方とそのご家族」を対象とした、不安や悩みの解決の一助となる無料オンラインセミナーを開催しています。
検討してみてはいかがでしょうか。

【セミナー情報は下記から】
https://cuc-hospice.com/rehope/seminar/5550/

おすすめの有料老人ホーム2選

「おすすめの有料老人ホームは?」という方のために、有料老人ホームを厳選してご紹介していきます。今回紹介するのは、以下の2施設です。

  • SOMPOケア
  • ベネッセスタイルケア

SOMPOケア

出典:SOMPOケア

設立年 1997年
運営会社 SOMPOケア株式会社
施設数 472施設

※2025年1月時点

料金 施設によって異なる(約11万円/月〜)
サービス内容 施設によって異なる

(介護のみの施設や、ホスピスケアや緩和ケアが受けられる施設など)

入居対象者 施設によって異なる

(認知症患者向けや高齢者向け、医療依存度の高いがん患者向けなど)

SOMPOケアは、介護付有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅、グループホーム、ケアハウス、住宅型有料老人ホームといった5種類の施設を展開しているグループです。空間にこだわりたい方向けやサービスにこだわりたい方、費用にこだわりたい方など、さまざまなニーズに合わせたプランを提供しています。

また、施設によっては24時間看護師が常駐していたり、ホスピスケアを行っていたりなど、医療依存度が高い方でも安心して入居できるサービスを受けられる点がメリットです。施設数も全国に500近く展開しているため、ぜひお近くのところを一度見学してみてはいかがでしょうか。

SOMPOケア

ベネッセスタイルケア

出典:べネッセスタイルケア

設立年 1995年
運営会社 株式会社ベネッセスタイルケア
施設数 364施設

※2025年1月時点

料金 施設によって異なる(約20万円/月〜)
サービス内容
  • 呼吸管理
  • たん吸引、在宅酸素、気管切開、人工呼吸器
  • 栄養管理
  • インスリン投与、経管栄養(胃ろう)、経管栄養(腸ろう)、経管栄養(経鼻)、中心静脈栄養(TPN)
  • 排泄管理
  • ストーマ(膀胱ろう)、ストーマ(人工肛門)、尿バルーン、腹膜透析、血液透析
  • その他サポート
  • 病態食対応、介護食対応、ペースメーカー、リハビリ対応、看取り対応
入居対象者 自立している方から要介護度5の認定を受けている人まで幅広い

(褥瘡、脳血管障害、心疾患、認知症、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症※ALS、癌・末期癌を抱える患者を含む)

ベネッセスタイルケアは、全国に約360施設を展開している、有料老人ホーム(またはサービス付き高齢者向け住宅)です。「自分や自分の家族がしてもらいたいサービスを提供する」という想いを掲げて、質の高い生活を送ってもらえるようなサービスを提供しています。

料金や入居対象者は施設によって異なりますが、数多くの施設を全国展開していることから、自宅から近いところに入居できる可能性が高いのが大きな利点だと言えるでしょう。

ベネッセスタイルケア

有料老人ホームからホスピス型住宅に移行するタイミング

ホスピス型住宅に移行するタイミングは、患者が「心身の苦痛を和らげたい」「最期をできるだけ自分の理想の形で迎えたい」と考えたときです。また、がん末期や神経難病を抱えて、主治医の先生からホスピスや緩和ケアを勧められたときも、移行するタイミングだといえます。

しかし、これらはあくまでも目安であり、ホスピス型住宅に入る患者自身やご家族が納得できることがとくに重要です。移行するかどうか悩んだ場合は、近くのホスピス型住宅を見学したり、かかりつけの病院に相談したりするなどして、じっくり考えるようにしましょう。

まとめ

有料老人ホームとホスピス型住宅は、どちらも高齢者や介護が必要な方のために設けられた施設です。しかし有料老人ホームは介護に、ホスピス型住宅は医療や緩和ケアに力を入れている点は違います。

また、有料老人ホームは高齢者を幅広く受け入れているのに対し、ホスピス型住宅はがん末期など終末期が近い方が主な入居対象者です。そのため、まずは受けたいサービスや目的を明確にして、自分に合った施設を選ぶようにしましょう。

FAQ

有料老人ホームとホスピス型住宅の違いは何ですか?

有料老人ホームとホスピス型住宅の主な違いは、どのケアに力を入れているのかという点です。有料老人ホームは介護など生活のサポートに力を入れていますが、ホスピス型住宅では介護だけでなく医療ケアや緩和ケアにも力を入れています。
詳しくは記事内「有料老人ホームとホスピス型住宅の違い」をご覧ください。

ホスピスに入るメリットは何ですか?

ホスピスに入るメリットは、医者や作業療法士などの専門家から、充実したケアが受けられる点です。患者だけでなく家族へのケアが手厚いところも、ホスピスのメリットとしてあげられます。
詳しくは記事内「ホスピス型住宅のメリット」をご覧ください。

ホスピスに入るデメリットは何ですか?

ホスピスに入るデメリットは、施設によっては入居金など費用が高くついてしまう点です。また、そもそも施設数が少なく、自宅から離れてしまう可能性があることもデメリットとしてあげられます。
詳しくは記事内「ホスピス型住宅のデメリット」をご覧ください。