ホスピスの利用条件とは?入院までの流れを詳しく解説
2025.05.12 2025.06.26
ホスピスの利用を検討している方にとって、どのような条件を満たせば入居・入院できるのか、また、申し込みから利用開始までどのような流れなのか分かりにくいと感じることが多いでしょう。
本記事では、ホスピスの基本的な利用条件や申し込みの流れ、必要な書類などを詳しく解説します。
【この記事のポイント】
- ホスピスへの入居対象者はがん末期や神経難病の終末期の方
- ホスピスはまず施設を選定し、書類提出、面談、審査を経て利用開始
ホスピスの基本的な役割と目的
ホスピスとは、終末期の患者の身体的な痛みや精神的な苦痛を取り除き、穏やかな最期を迎えられるように治療やケアを行う施設です。主にがんや神経難病などの終末期の方が対象となり、痛みや苦痛をコントロールする緩和ケアが提供されます。
参考:緩和ケアとは?対象者やケアを受ける方法などについてわかりやすく解説
ホスピスのケアの中には身体的・精神的苦痛の緩和だけではなく、治療費や生活にかかる経済的な問題の解消も含まれており、医療スタッフやカウンセラー、ソーシャルワーカーなどさまざまな専門家がチームとなってケアを提供します。
ホスピスの種類
ホスピスには以下のような種類があります。
- 病院併設型ホスピス:緩和ケア病棟など、医療機関の中に併設。医療機関での専門的な治療を受けながら緩和ケアを受けることができる。
- ホスピス専門の介護施設:緩和ケアに特化した介護施設。多くの患者と共同で生活し、看護師が24時間常駐しているなど、医療的サポート体制も充実している。
ホスピスの入居条件
ホスピスを利用するための主な条件を紹介します。施設により入居条件は異なりますので、詳しくは各施設への問い合わせやホームページ等でご確認ください。
1.対象となる疾患
対象となる疾患は施設によって異なりますが、一般的には以下のような疾患が対象となります。
- がんやエイズの終末期
- 神経難病(ALS、パーキンソン病など)
- 心不全や呼吸不全の終末期
- その他、医師が終末期と判断した疾患
2.医師の診断
ホスピスの利用には、主治医の診断と本人の意向が重要です。ホスピスの利用を検討している場合は本人の意向を確認し、主治医へ相談しましょう。
3.介護・医療度
病院併設のホスピスやホスピス専門施設など、施設の種類によっても異なりますが、人工呼吸器や気管切開などを行っている医療依存度が高い方や、要支援・要介護の認定を受けている方など、医療・介護度を入居条件としている施設もあります。
また、認知症が進行している場合は他の患者への影響も鑑み、入居を断られてしまうケースがありますので、認知症の患者の受け入れも行っているのか施設側へ事前に相談しましょう。
参考:ホスピスの入院条件とは?ホスピス型住宅の入居条件や費用も解説
ホスピスの利用開始までの流れ
ホスピスを利用する際の一般的な流れを紹介します。
1.相談・情報収集
主治医やケアマネジャーに相談し、ホスピスの候補を探します。ホームページや資料請求から、各施設の利用条件を確認し、候補となるホスピスを絞りましょう。
2.施設見学・面談
候補の施設へ連絡し、施設見学を行います。実際に施設内の雰囲気や設備を確認し、医療スタッフやソーシャルワーカーと面談します。面談の際は以下の点を確認するとよいでしょう。
- 医療体制:夜間の対応、医師・看護師の常駐状況
- 生活環境:個室か多床室か、面会のルールはあるか
- 料金体系:入居費用、月額費用など
このほかにも、難病などでホスピスを検討している場合は、直近で同じ疾患で入居していた患者がいるかなども確認してみましょう。もし直近で受入れ実績がある場合は、病の進行による症状の変化への体制が整っている可能性が高く、安心です。
3.必要書類の提出
ホスピスへの入居には、主に以下の書類を準備する必要があります。
- 診断書(主治医が作成)
- 健康保険証・介護保険証
- 各種同意書(治療方針、延命措置の希望など)
実際に必要な書類や様式については施設により異なりますので、施設からの指示に従って準備しましょう。
4.入居審査
提出された書類をもとに病棟・施設側で審査を行います。患者の病状や医療依存度、施設の受け入れ可能状況によって審査結果が決定されます。
5.入居決定・契約
審査を通過すると、施設との契約を締結します。契約後、入居日を調整の上、必要な準備を整えます。必要な医療ケアなどの詳細も契約時に話し合い、病状や要望に応じて、ケアプランが作成されます。
必要な準備については患者の病状や施設によって異なりますので、施設側の指示に従って準備を進めていきましょう。
6.入居・利用開始
入居当日は、家族の付き添いのもとで入居し、看護師やスタッフによる健康チェックを受け、入居開始となります。
参考:ReHOPE|ホスピスを利用する流れは?利用条件や入院・入居に必要な手続きについて
ホスピス利用時に使える公的制度
ホスピスの利用には費用がかかりますが、公的制度を利用することで自己負担額を軽減できます。主な公的制度について紹介します。
- 医療保険:終末期医療に健康保険が適用
- 介護保険:特別養護老人ホームや介護医療院などの施設
- 高額療養費制度:自己負担が一定額を超えた場合に適用
そのほか、疾患の種類や自治体の制度により使える制度もあるため、詳しくは自治体やソーシャルワーカーへ確認しましょう。
まとめ
ホスピスの利用には、対象となる疾患や医師の診断が必要であり、施設ごとの条件を満たす必要があります。利用を検討している場合は、早めに情報収集を行い、主治医やケアマネジャーと相談しながら適切な施設を選びましょう。
ホスピスの申し込みから入居までの流れを理解し、スムーズに準備を進めることで、患者本人や家族の負担を軽減できます。適切な施設を選び、安心して終末期を過ごせる環境を整えましょう。
FAQ
ホスピスの入居条件は?
ホスピスの入居条件は施設により異なりますが、がんやエイズの終末期の方や医療依存度の高い方など、疾患や医療・介護度が条件となります。
詳しくは記事内「ホスピスの入居条件」をご覧ください。
ホスピス利用開始までの流れは?
ホスピスの利用には、施設を選定し、施設見学や面談を行い、入居審査を経て利用開始となります。
詳しい流れについては記事内「ホスピスの利用開始までの流れ」をご覧ください。