介護施設・老人ホームの種類を解説!適切な施設の探し方や選び方とは?おすすめ施設とサービス情報
2025.06.10 2025.06.10
介護施設には民間と公的な種類があり、目的や費用、サービス内容によって適した施設が異なります。自立した高齢者向けの住宅型施設から、手厚い医療・介護サービスを提供する施設まで、選択肢は多岐にわたります。
この記事で紹介するのは、介護施設の種類を詳しく解説し、探し方や選び方のポイントについてです。さらに、ホスピスケアを含むおすすめ施設のサービスについても触れているので、ぜひ参考にしてください。
【この記事のポイント】
- 介護施設には「民間施設」と「公的施設」の2種類がある
- 介護施設を探す際の方法にはケアマネジャーへの相談や地域包括支援センター・民間の紹介センターの利用が挙げられる
- 施設の種類に加え、費用や立地、設備なども含めて選ぶ必要がある
- 介護施設では十分なホスピスケアを受けられない可能性が高い
介護施設は民間・公的の違いがある
介護施設には「民間施設」と「公的施設」の2種類があることを覚えておきましょう。
民間施設は企業が運営しており、入居時の費用や家賃、食費などが施設ごとに異なります。利用者の希望に応じて、設備やサービスが充実した施設や、コストを抑えた施設など、多様な選択肢が用意されています。
一方、公的施設は国や自治体、社会福祉法人などが運営主体です。社会福祉の観点から申し込み順ではなく、介護度が高い人や家庭での介護が困難な人が優先的に入居できます。費用負担が比較的抑えられる一方で、入居までに時間がかかる場合もあるでしょう。
民間・公的それぞれの特徴を理解し、適した施設を選ぶことが大切です。
【民間】介護施設(老人ホーム)の種類一覧
ここでは、民間の介護施設として挙げられる4つの施設について解説します。
介護付き有料老人ホーム
日常生活に必要な介護を提供することを目的とした施設です。24時間体制で介護スタッフが常駐しており、食事や入浴、排せつなどのサポートを受けられます。
健康管理も充実しているため、医療的ケアが必要な方でも安心です。入居に際しては要介護の認定が必要な場合が多く、費用は提供されるサービスの質によって異なります。
設備が充実している施設も多く、快適な暮らしを求める高齢者に適しています。
住宅型有料老人ホーム
基本的には自立した高齢者が入居できる施設で、介護が必要になった場合は外部の介護サービスを利用する形になります。住環境が整えられており、バリアフリー設計の居室や共用スペースを備えているのが特徴です。
食事の提供や生活相談などのサービスは充実しているものの、介護は提供されないため、入居後に介護が必要になった際には追加の手配が必要です。比較的自由度が高く、アクティブなシニア向けの選択肢といえます。
サービス付き高齢者向け住宅
高齢者が安心して暮らせるよう設計された、賃貸住宅の一種です。見守りや生活支援サービスが提供されるため、単身でも不安なく生活できます。
また、一般の賃貸住宅と異なり、バリアフリー仕様や緊急時の対応システムが整っている点が特徴です。
介護サービスは提供されず、必要に応じて外部の介護事業者と契約する必要があります。自立した生活を送りつつ、将来的に介護のサポートを受ける可能性を考慮したい方に向いています。
グループホーム
認知症の方を対象とした、少人数制の共同生活型施設です。家庭的な雰囲気の中で、スタッフの支援を受けながら日常生活を送れます。
一般的に1ユニット5〜9人程度で構成され、入居者同士の交流を重視した環境が整えられています。大規模な施設と比べて個別対応がしやすく、認知症の進行を抑えるケアが充実している点が魅力です。
【公的】介護施設(老人ホーム)の種類一覧
続いて、公的な介護施設について解説します。
特別養護老人ホーム
特別養護老人ホームは、日常生活で介護が必要な高齢者向けの施設です。民間の有料老人ホームと異なり、公的な支援のもと運営されており、比較的低コストで利用できる点が特徴です。
自宅での介護が困難な方を対象に、24時間体制の介護サービスが提供されます。入居には要介護度の要件があり、特に介護度が高い方が優先される傾向があります。
待機者が多いため、申し込みから実際の入居まで時間がかかる場合も少なくありません。
ケアハウス
身の回りのことを自分でできる高齢者を対象とした施設を、ケアハウスと言います。介護が必要になった際にも支援を受けられる体制が整えられており、長期的な生活を考えるうえでの選択肢となるでしょう。
食事の提供や生活支援サービスが充実しており、高齢者が安全かつ快適に暮らせる環境が整えられています。低所得者向けの施設も存在し、経済的な負担を抑えつつ安心できる暮らしを実現できる点が魅力です。
介護老人保健施設
介護老人保健施設はリハビリを目的とした施設で、病院と自宅の中間的な役割を担います。病気やケガの治療を終えた後、自立した生活へ向けたサポートを受けられる点が特徴です。
医師や看護師、リハビリスタッフが常駐し、専門的なケアを提供することで利用者の機能回復を促します。長期的な入居を前提とするのではなく、一定期間の滞在を経て自宅復帰を目指すケースが一般的です。
介護医療院(介護療養型医療施設)
医療的ケアが必要な高齢者のための施設を指します。慢性的な疾患を抱え、日常的に医療行為が求められる方が対象です。
医療と介護の両面から手厚いサポートが受けられるため、長期間の療養が必要な方に適しています。従来の「介護療養型病床」を引き継ぐ形で設置されており、病院のような医療機能と、介護施設としての生活支援機能を兼ね備えています。
介護施設の探し方
介護施設を選ぶには、いくつかの方法があります。
- ケアマネジャーへの相談
- 地域包括支援センター
- 民間の紹介センター
- インターネット
ケアマネジャーに相談することで、利用者の状況を踏まえた施設を提案してもらえます。地域包括支援センターもあわせて活用すれば、公的な介護サービスの情報を得られるでしょう。
民間の紹介センターでは、さまざまな施設を比較しながら選択肢を広げることが可能です。さらに、インターネットを利用すれば、施設の特徴や費用を手軽に調べられます。
どの方法を使う場合でも、実際に施設を見学し、雰囲気やスタッフの対応を確認することが大切です。入居者が快適に過ごせる環境かどうかを慎重に判断し、最適な施設を選びましょう。
介護施設の選び方
介護施設を選ぶ際は種類だけでなく、以下の視点も重視しましょう。
- 費用
- 立地
- 出される食事
- 設備
- 入居・退去条件
- ケアの体制
- 施設全体の雰囲気
費用
介護施設を選ぶ際、まず確認すべきは費用の内訳です。初期費用がかかる施設もあれば、月額料金のみで利用できる施設も存在します。
さらに、介護サービスにかかる追加料金や医療費など、長期的に見た支出も考慮しなければなりません。料金が高いほど質が良いとは限らず、コストとサービス内容のバランスを見極めることが大切です。
立地
家族が面会しやすい場所かどうかは、介護施設選びの大きなポイントになります。自宅に近いと訪問の負担が少なく、入居者の安心感にもつながるでしょう。
また、公共交通機関の利便性や周囲の環境も重要です。買い物や散歩がしやすい立地かどうか、周囲の医療機関へのアクセスなども検討しましょう。
出される食事
日々の食事は、健康維持だけでなく生活の楽しみの一つでもあります。食材の質や調理方法、味付けの工夫などが施設によって異なるため、試食をして確認するのも有効です。
個々の健康状態やアレルギーに配慮したメニューが提供されているか、栄養バランスが考えられているかもチェックしましょう。
設備
施設の設備が充実しているかどうかも、快適な生活を送るために重要なポイントです。バリアフリー設計はもちろん、個室の広さや共用スペースの快適さ、入浴設備の種類なども重要な判断基準です。
また、緊急時の対応を考慮し、ナースコールの設置状況や防災設備の充実度も確認すると安心できます。
入居・退去条件
入居できる条件や、退去しなければならないケースについても事前に把握しておくべきです。
要介護度や健康状態による制限がある場合、将来的に継続して住み続けられるかどうかを確認しましょう。また、退去時に追加費用が発生するか、解約手続きが複雑でないか調べておくことも大切です。
ケアの体制
どのような介護を受けられるかは、施設によって大きく異なります。スタッフの配置人数や資格の有無、医療機関との連携状況などを事前に調査する必要があります。
特に認知症の対応やリハビリの充実度など、入居者の状態に適したケアが受けられるかどうかを確認しましょう。
施設全体の雰囲気
施設の雰囲気は、入居者が快適に過ごせるかどうかを左右する要因の一つです。スタッフの接し方や入居者同士の交流の様子、日常のレクリエーション活動など、実際に訪れて感じる印象も判断材料になります。
また、清潔感があるか、明るく開放的な空間が確保されているかといった点にも注目すると良いでしょう。
介護施設でホスピスケアは受けられるか
ホスピスケアは、末期がんや難病を抱える方の苦痛を和らげることを目的とした支援です。しかし、介護施設では十分な対応が難しい場合があります。特別養護老人ホームや有料老人ホームでは、日常生活の支援を受けられますが、緩和ケアに特化した医療体制は整っていません。
その点、ホスピス型住宅は病院と自宅の中間地点としての役割を果たします。24時間365日、看護師や介護職員が常駐し、医療依存度の高い方も安心して過ごせる環境が整っています。
また、住み慣れた自宅に近い雰囲気の中で、必要なケアを受けられる点も大きな特徴でしょう。ホスピスケアを重視する方は、医療と生活の両方を支える施設を選ぶことが大切です。
【介護施設別】ホスピスケアサービス
重篤な疾患を抱える方や終末期のケアを必要とする方にとって、適切なホスピス施設の選択は重要です。各施設ごとに提供されるサービスや特徴が異なるため、代表的なホスピスケア施設について紹介します。
医心館
医療依存度の高い方が安心して生活できる環境を整えているのが、医心館 の特徴です。24時間体制で看護師が常駐し、がん末期や神経難病の患者にも専門的なケアを提供します。
病院と在宅の中間的な役割を果たし、個々の状態に応じた医療サポートを実現しています。介護スタッフと連携しながら、身体的・精神的負担を軽減するための手厚いケアを提供している点も特徴です。
公式サイト:医心館
ファミリー・ホスピス
自宅のようにくつろげる環境を目指し、少人数制で細やかなケアを行うホスピス施設です。訪問医療と連携しながら、疼痛管理や緩和ケアに力を入れています。
施設内では食事や日常生活のサポートにも重点を置き、患者さまだけでなくご家族の負担も軽減します。個室を基本とし、プライバシーを尊重した空間設計がされている点も強みです。
公式サイト:ファミリー・ホスピス
スーパー・コート
介護付き有料老人ホームとしての機能を有しながら、ホスピスケアにも対応する施設です。専門の医療スタッフが常駐し、終末期ケアやリハビリにも対応しています。
特に、末期がんや神経難病患者の受け入れに積極的で、嚥下リハビリなども提供可能です。生活の質を維持しながら、家族と過ごす時間を大切にできる環境が整えられています。
公式サイト:スーパー・コート
ReHOPE
病院と自宅の中間地点としての役割を持つホスピス型住宅で、がん末期や神経難病の方を中心に受け入れています。24時間体制の看護と介護を提供しながら、個別のニーズに応じたケアプランを作成します。
入居者の意思を尊重し、自分らしい生活を続けられるようサポートできるのも特徴です。さらに、医療処置だけでなく、精神的なケアにも力を入れています。
公式サイト:ReHOPE
フレアス
医療対応型療養施設として、訪問看護・訪問介護の事業所を併設し、医療依存度の高い方の受け入れを行っています。鍼灸マッサージによる緩和ケアを取り入れ、患者のQOL向上を重視しているのも特徴です。
24時間365日の医療・介護体制が整備され、個々の症状に応じた柔軟な対応が可能です。入居者の「したい」を尊重しながら、安心できる療養環境を提供しています。
公式サイト:株式会社フレアス
まとめ
介護施設を選ぶ際は、施設の種類や費用、サービス内容を総合的に判断することが重要です。自立した生活を重視するなら住宅型施設、手厚いケアが必要なら特別養護老人ホームや介護付き有料老人ホームが適しています。
また、終末期ケアを重視する場合はホスピス対応の施設も検討しましょう。ケアマネジャーや紹介センターを活用しながら実際に見学し、患者さまやご家族に最適な施設を選んでください。
FAQ
介護施設にはどんな種類がある?
介護施設は民間・公的に種類が分かれており、それぞれ以下の施設が代表例として挙げられます。
民間 | 公的 |
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詳しくは記事内「【民間】介護施設(老人ホーム)の種類一覧」と「【公的】介護施設(老人ホーム)の種類一覧」をご覧ください。
介護施設はどうやって探す?
介護施設を探す主な方法は、以下のとおりです。
- ケアマネジャーへの相談
- 地域包括支援センター
- 民間の紹介センター
- インターネット
詳しくは記事内「介護施設の探し方」をご覧ください。
介護施設を選ぶ基準は?
介護施設を選ぶ際は、種類に加えて以下の要素を重視しましょう。
- 費用
- 立地
- 出される食事
- 設備
- 入居・退去条件
- ケアの体制
- 施設全体の雰囲気
詳しくは記事内「介護施設の選び方」をご覧ください。